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アブダビとドバイの違い|不動産投資で比べる7つのポイント

記事・コラムBITEX HOLDINGS LLC 編集部

「アブダビとドバイは、不動産投資の面で何が違うのか」——UAE不動産をご検討中の方から、最初に受けることが多い質問です。同じUAEの首長国で、車なら1時間ほどの距離にありますが、市場の大きさ、規制する役所、外国人が買えるエリアの決め方、登記料などは異なります。本稿では、アブダビ不動産センター(ADREC)、ドバイ土地局(DLD)、両首長国の統計機関・政府メディアオフィスが公表したデータをもとに、2つの市場の違いを7つの視点で整理します(情報確認日:2026年11月2日)。

比較項目アブダビドバイ
不動産の規制機関アブダビ不動産センター(ADREC)ドバイ土地局(DLD)
2025年の不動産取引総額AED 1,420億(42,814件、前年比+44%)AED 9,170億(27万件超、前年比+20%)
人口413万5,985人(2024年)458万人(2025年末)
外国人が買える場所指定の「投資ゾーン」(2026年上半期時点で50か所)法令で指定されたエリア(2006年法律第7号ほか)
売買の登記料取引価格の2%(原則、売主・買主で折半)物件価格の4%(売主・買主の合意に基づき支払い)
賃貸契約の登録Tawtheeq(タウシーク)Ejari(エジャリ)
共通点連邦制度のゴールデンビザ、ディルハム(米ドル連動)、個人に家賃収入・売却益への所得税がない点など

出典:ADREC・アブダビ政府メディアオフィス(2026年2月・7月)/ドバイ政府メディアオフィス(2026年1月)/u.ae/ドバイデータ統計局(2026年7月発表、TradeArabia報道)/DLD/法律事務所Al Tamimi・MODONの解説。各項目の詳細と注記は本文をご覧ください。

1. 市場規模 ── 取引額はドバイが約6倍、伸び率はアブダビが上回る

ドバイ政府メディアオフィス(2026年1月)によれば、2025年のドバイの不動産取引は27万件超、総額AED 9,170億で、前年比20%増と過去最高を記録しました。このうち不動産投資(売買)はAED 6,800億超・25万8,600件で、投資家数は約19万3,100人に達したとしています。

一方、ADRECの年次発表(2026年2月)によれば、2025年のアブダビの取引総額はAED 1,420億・42,814件で、金額は前年比44%増、件数は52%増でした。内訳は売買がAED 994億(25,604件)、住宅ローンがAED 427億(17,210件)です。

金額ではドバイがアブダビの約6.5倍の規模ですが、伸び率はアブダビの方が高い状況です。2026年に入ってもこの傾向は続いており、ADRECによれば、2026年上半期のアブダビの取引総額はAED 1,170億と前年同期比112%増、売買はAED 861億(前年同期比163.7%増)でした。ドバイも2026年第1四半期の取引額がAED 2,520億(前年同期比31%増)と報じられています(ドバイ政府メディアオフィス・DLD)。

なお、両首長国の「取引総額」は、売買のほかに住宅ローンなどの登記を含む数字で、集計の範囲は発表ごとに異なります。単純な比較ではなく、規模感の目安としてご覧ください。

市場規模の違いは、投資家にとって「流動性(売りたいときの買い手の多さ)」と「物件の選択肢の多さ」の違いでもあります。ドバイは取引量が多く選択肢が豊富な成熟市場、アブダビは規模はまだ小さいものの急速に拡大している市場、と整理できます。

2. 人口と住宅需要 ── どちらも年7.5%の増加

不動産の需要を支える人口は、両首長国とも急速に増えています。UAE政府公式ポータル u.ae によれば、アブダビ首長国の人口は2024年に413万5,985人で、前年から7.5%増えました。ドバイについては、ドバイデータ統計局の発表として、2025年末の人口が458万人、前年末から約33万2,000人(7.5%)増えたと報じられています(TradeArabia、2026年7月)。

アブダビの数値は2024年、ドバイは2025年末時点と基準年が異なる点に注意が必要です。2025年のアブダビの人口は、本稿の確認時点では公表を確認できませんでした。

住宅ストックについて、u.ae はアブダビの住宅・非住宅ユニットが2024年に計78万3,970戸(前年比3.9%増)、うち住宅が46万6,700戸と紹介しています。人口の伸びと住宅供給のバランスは、価格や賃料の先行きを考えるうえで重要な指標です。アブダビの需給についてはアブダビ不動産の将来性で詳しく解説しています。

3. 外国人が買える場所 ── 「投資ゾーン」と「指定エリア」

どちらの首長国でも、外国人が不動産を所有できる場所は法令で決まっています。

アブダビ:政府系デベロッパーMODONの購入ガイドによれば、2019年の法改正により、指定された「投資ゾーン」で外国人もフリーホールド(期限のない完全所有)で取得できるようになりました。ADRECによれば、2026年上半期に新たに8か所の投資ゾーンが承認され、合計は50か所になりました。同期間に投資ゾーンへの投資額はAED 750億(前年同期比181%増)だったとしています。

ドバイ:法律事務所Al Tamimi & Companyの解説によれば、ドバイの不動産登記法(2006年法律第7号)は、UAE・GCC諸国の国民以外による所有を、首長の承認のもとで指定されたエリアに限っています。指定エリアは2006年規則第3号などで定められています。

いずれも、検討中の物件が外国人の所有対象エリアにあるかどうかは、契約前に必ず確認が必要です。アブダビの主なエリアの特徴はアブダビ不動産エリアガイドで比較しています。

4. 購入時の費用 ── 登記料は「2%」と「4%」

購入時の諸費用で最も大きな違いが、所有権移転の登記料です。

アブダビ:Al Tamimiの解説によれば、2018年のアブダビ執行評議会議長決議第49号は、売買登記料を取引価格の1%以上4%以下の範囲で定め、原則として売主と買主が折半するとしています。同解説の時点では市町村が2%を適用しており、MODONの2026年のガイドも登記料を2%と説明しています。

ドバイ:DLDは、物件価格の4%の登記手数料を、売主と買主の合意に基づいて支払うと案内しています。オフプラン物件では、買主が手数料を支払ったうえで、デベロッパーが登記手続きを行う仕組みです(DLD、2021年)。

たとえばAED 200万の物件なら、登記料の総額はアブダビで約AED 4万、ドバイで約AED 8万になります。実際に誰がいくら負担するかは売買契約で決まるため、契約書で必ず確認してください。仲介手数料やローン登記料を含む諸費用全体と購入手続きの流れは、アブダビ不動産の購入の流れと諸費用にまとめています。

5. 仲介会社の選び方 ── 「免許」と「広告許可」を確認する

どちらの市場でも、物件探しは仲介会社(エージェント)を通じて進めるのが一般的です。日本から投資する場合、言葉の壁もあり、仲介会社選びが結果を大きく左右します。

アブダビでは、仲介業務にADRECの免許が必要です。ADRECによれば、2026年上半期に不動産関連の専門職免許を2,040件発行し、免許を持つ不動産ブローカーは計3,302人になりました。また、ADRECの不動産広告許可の仕組み「Madhmoun(マドムーン)」では、これまでに4万1,200件超の広告許可が発行されています。物件広告に許可番号があるか、担当者が免許を持っているかを確認するのが基本です。

ドバイでも、DLDの規制のもとで登録されたブローカーであることが前提です。どちらの市場でも、次の点を確認すると安心です。

  • 会社と担当者の免許・登録番号を、規制当局の公式サービスで確認できるか
  • 物件広告の許可番号や、デベロッパーの正規代理店かどうか
  • 予約金や代金の振込先が、デベロッパーのエスクロー口座など正規の口座か
  • 「賃料保証」「必ず値上がり」といった、根拠の示されない説明をしていないか

6. 賃貸運用の違い ── 契約登録はTawtheeqとEjari

購入した物件を貸し出す場合、両首長国とも賃貸契約を公的なシステムに登録します。アブダビは市町村・運輸局(DMT)が行政ポータルTAMMを通じて運営する「Tawtheeq」、ドバイはDLDの「Ejari」です。2つの制度に互換性はなく、それぞれの首長国の物件にはそれぞれの制度が適用されます(Property Finderの解説)。

賃料の水準や利回りは、エリア、物件タイプ、完成済みかオフプランかによって大きく異なります。本稿では数値の比較は行いません。アブダビの賃貸市場と利回りの考え方はアブダビ不動産市場のすべてで解説しています。利回りは保証されるものではなく、空室・管理費・修繕などのコストも見込んで判断する必要があります。

7. 共通点 ── ビザ・通貨・税制は同じUAEのルール

違いの一方で、連邦レベルの制度は共通です。

  • ゴールデンビザ:不動産投資家向けの長期居住ビザは連邦制度で、AED 200万以上の不動産の保有などが条件です。アブダビでの申請方法はアブダビ ゴールデンビザ取得条件で解説しています。
  • 通貨:UAEディルハムは米ドルに連動(ペッグ)しています。日本の投資家にとっては、どちらの首長国でも円とドルの為替変動の影響を受けます。
  • 税制:MODONの解説によれば、個人には家賃収入や売却益への所得税、固定資産税はかかりません。ただし日本居住者は、日本で所得を申告する必要があります。

ビザ・税の制度は改定されることがあります。最新情報は公的機関や専門家にご確認ください。

まとめ ── 「どちらが良いか」より「目的に合うのはどちらか」

2025年の取引総額で見ると、ドバイはAED 9,170億、アブダビはAED 1,420億。ドバイは取引量と選択肢が豊富な成熟市場で、アブダビは規模が小さい一方、取引額が前年比44%増、2026年上半期は112%増と急拡大しています。外国人が買えるエリアの決め方、登記料(2%と4%)、仲介業者の免許制度、賃貸契約の登録制度も異なります。

どちらの市場が合うかは、投資の目的(賃貸運用・将来の売却・居住やビザ)、予算、保有期間によって変わります。都市としてのアブダビの基礎データはアブダビとはどんな都市か、BITEXの取り組みはアブダビ不動産事業をご覧ください。具体的な物件選びや投資判断は個別の状況によって異なるため、検討の際はご相談ください。

主要出典:Abu Dhabi Media Office「Abu Dhabi Real Estate Centre records 44% increase reaching AED142bn in transactions in 2025」(2026年2月)、同「Abu Dhabi Real Estate Centre records AED117bn in real estate transactions in H1 2026」(2026年7月)/Government of Dubai Media Office「Dubai's real estate market records new historic milestone with transactions exceeding AED917 billion in 2025」(2026年1月)/Dubai Land Department「DLD calls on developers to pay property registration fees within 60 days」/UAE政府公式ポータル u.ae「Abu Dhabi」/TradeArabia「Dubai's population tops 4.58m by 2025-end」(2026年7月)/Al Tamimi & Company「Who can own Real Estate in Dubai and Where?」およびアブダビの登記料に関する解説/MODON 購入ガイド(2026年)/Property Finder「Ejari vs Tawtheeq」。いずれも2026年11月2日に確認。

さらに詳しく知りたい方へ

情報誌『アブダビの全て 2026』は、全38ページ・6章構成の完全保存版です。市場データ、エリアガイド、税制・ビザ、購入の流れ、リスクまでを出典付きで収録しています。PDFはこちらのページから無料でダウンロードいただけます。個別のご相談はお問い合わせより承ります。

本稿は2026年11月2日時点の公的機関・デベロッパー・法律事務所・主要報道の公開情報をもとにBITEX HOLDINGS LLC 編集部が作成したものです。統計・手数料・制度は改定されることがあり、将来の価格・賃料・利回りを保証するものではありません。投資判断にあたっては、最新の公式情報と専門家への確認をお願いします。

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